製品情報

超硬は熱処理済みの合金工具鋼の1.3倍の硬度があります。ダイヤモンド粒子の砥石で超硬を研削加工しますが、熱処理済の合金工具鋼を超硬工具で機械加工するケースもあり、その硬さのほどがわかります。
弊社の超硬合金の開発コンセプトは、炭化タングステン(WC)の粒度やコバルト(Co)含有量を変化させる従来の手法とは異なり、疲労原因となるコバルト結合層に積極的に働きかけ、これを固溶強化したことにあります。

超硬プレートの特徴
超硬合金ができるまで
超硬合金ができるまで

1ステンレスや銅合金などの高硬度材の加工に非常に有効

超硬製品は切削工具類をはじめ、ロール成型や刃物系等様々な用途がありますが、特に金型関連で使用する(耐摩耗)用途においては、合金工具鋼とりわけ粉末ハイス系材料でも摩耗性が充分でない材料、とくにステンレスや銅合金などの高硬度材の加工に非常に有効です。
型寿命の延長・焼付き・カジリの減少などトータルコストにおいて大きなメリットを生み出します。

2在庫品は4材種、7サイズ、計100種類の豊富なバリェーション

MAST超硬プレート在庫品は4材種、7サイズ、計100種類の豊富なバリェーションがあります。(0.5mm~60mm厚まで)一般材のG5の他、パーツ製作時のワイヤー放電加工工程を想定した耐摩耗性・耐腐食性を格段に向上させたNC6、ならびに、そのNC合金の特性をそのままに微粒子・超微粒子にしたFZ15・FB10など、特に精密プレス加工を行うユーザー様には品質・納期で高い評価をうけております。

G5
(一般磨耗用合金)
G5組織写真(細中粒子系1.5-2.5μm)×4,000
G5組織写真
(細中粒子系1.5-2.5μm)×4,000

G5材は細・中粒の炭化物を用いた合金で、高硬度、高強度を備えた最もポピュラーな材種で、適用範囲が広く各種工具に使用されています。

NC6
(NC合金)
NC6組織写真(微粒子系1.0-1.2μm)×4,000
NC6組織写真
(微粒子系1.0-1.2μm)×4,000

NC6材は細粒の炭化物を用いた合金で、疲労の原因となる結合相を強化する事により、圧縮疲労強度・耐食性を向上させた材種で、耐焼付き性・水切りワイヤーカットや研削液による腐食の低減に効果があります。

FZ15
(微粒子合金)
FZ15組織写真(超微粒子系0.7-0.9μm)×4,000
FZ15組織写真
(超微粒子系0.7-0.9μm)×4,000

FZ15材は微粒子合金で炭化物粒度の選択により亀裂・伝播(でんぱ:亀裂が周辺部に広がること)の抑制を計り、使用中のチッピングだけでなく、加工中(特に放電、ワイヤーカット加工に於けの亀裂発生も軽減でき、また「NC合金」と同様の開発思想に基づき、圧縮疲労強度、耐食性の向上も計った材種です。

FB10
(超微粒子合金)
FB10組織写真(超々微粒子系0.5-0.7μm)×4,000
FB10組織写真
(超々微粒子系0.5-0.7μm)×4,000

FB10材は極めて微細な炭化物を用いた超微粒子合金で、高硬度・高圧縮強度を備え、耐摩耗性・耐微小チッピング性に優れており、シャープエッジが要求精密打ち抜き金型・切断刃物等に適した材種です。

3NC6,FZ15,FB10のメリット(ステンレス・銅合金等の難加工に最適)

一般に抜き型用として、V20~V40、硬度、HRC91前後(主にG5)主体を使用されていますが、それらの材質では銅合金、ステンレス材において、高スピード化の中での加工条件により、期待する型寿命が得られない場合があります。
銅合金の加工は、超硬合金成分中のCo(コバルト)と反応しやすい材料で、また、ステンレス材は加工硬化と溶着しやすい材料です。

1.添加物を混入し、Coの溶出を抑えることによって耐摩耗性をあげる。
対応鋼種
  • NC
  • FZ
  • FZ

ワイヤー放電加工時等に超硬内の結合相のコバルトが脱落・溶出しますが、これを添加物で強化して抑えることにより、耐摩耗性が向上します。

添加物を混入し、Coの溶出を抑えます
2.添加物のもつ特性、スベリ性、焼き付き性で更に寿命を延ばす。
対応鋼種
  • NC
  • FZ
  • FZ

カジリの初期要因は焼き付けと考えられ、添加物の効果・特性により、型表面の凹凸(コバルト浸食による)が軽減されるからと考えられます。

3.加工性についてはワイヤー加工での腐食の低減をはかる。
対応鋼種
  • NC
  • FZ
  • FZ

添加物の効果で、結合材であるコバルトが強化され耐食性に優れます。取り代の減少もさることながら、腐食層が減少するため、後工程での形状維持に効果があります。

ワイヤー放電加工断面 顕微鏡写真
ワイヤー放電加工断面 顕微鏡写真
4.更に製品精度向上での寿命延長は、ダイ・パンチ共に素材を1ランク上の硬度(微粒子・超微粒子に変更して) を採用する。
対応鋼種
  • FZ
  • FZ

さらに、粒子を微粒子、超微粒子にすることで、同等の硬度でもより高い靭性が得られます。特にFZ15は摩耗性と靭性を両立したオールマイテイーな材料です。

5.材料と反応しやすいCoそのものの含有を削減する。
対応鋼種
  • FZ
  • FZ

加えて、FZ、FB合金では結合材であるコバルトそのものの含有を減少させており、上記のような現象がより軽減されます。

4各合金の概要

NC合金

冷間鍛造型の寿命延長を目的として開発されたNC合金は、今日では鍛造型以外にも巾広いユーザーにその名が浸透し、当初意図した特性以上に効果が認められて用途が広がっています。

特徴1:水切りワイヤーカット等、加工途中の腐食が減少

加工圧が低く、応力集中を起こしにくい形状のものでは、NC合金の特徴である圧縮疲労強度上昇が寄与します。

ワイヤーカット時のCo残存量
ワイヤーカット時の腐食層拡大写真
特徴2:型寿命の延長

加工圧が低く、応力集中を起こしにくい形状のものでは、NC合金の特徴である圧縮疲労強度上昇が寄与します。

サイクル数と圧縮応力の関係
特徴3:寿命の安定

亀裂の発生や伝播が遅延されるためと考えられます。このこともユーザー層からの高い評価を得ています。

特徴4:焼付き、カジリの減少

カジリの初期要因は焼付きと考えられ、耐蝕性を有するNC合金では、潤滑剤による腐食摩耗が軽微であり、従って型表面の凹凸(Co侵食による)が軽減さ考えられます。

超微粒子合金と微粒子合金

超微粒子合金は、極めて微細な炭化物を用いるため、同等の固さで比較した場合一般の超硬合金よりも高い靭性を有しています。超微粒子合金は、極めて微細な炭化物を用いるため、同等の固さで比較した場合一般の超硬合金よりも高い靭性を有しています。
当社では永らくご愛用頂いております超微粒子系(FBシリーズ)を区分して展開、用途に適応させています。どちらのシリーズも、一般には超微粒に属するものです。

WC粒度と分類
WC粒度と分類
各社の微粒子径比較(概念)
各社の微粒子径比較(概念)
FZ15(微粒子合金)
WC粒度を調整し、結合材Coを減じたもので、破壊靭性、耐摩耗性を向上させたもの。

超微粒~超超微粒でHRA93を超える硬度を有します。摩耗性対策には有効です。

FB10(超微粒子合金)
超微細なWCを用いており、優れた刃立ち性が得られる。 高硬度でありながら柔軟性を有する。

FZ15は摩耗性と靭性を両立したオールマイテイーな材料です。ステンレスや銅合金などの難加工に最適なオールマテイーな材料です。

5品質保証

メーカーよりの合金検査票の添付可能です。また、必要時にはSDS(安全データシート)の添付などご購入時に申しつけください。

合金検査成績票
合金検査成績票
安全データシート(SDS)
安全データシート(SDS)

6安全に取り扱うために

籐製品はコバルトを含みます。製品自体は化学的に安定しておりますが、加工時の粉塵等にご注意願います。

注意喚起シール
注意喚起シール