平行度・平面度とは
平面度はハードンプレートの価値を決める重要なファクターです。- 平行度
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図面標記2つ以上の平面や直線が、どれだけ平行になっているか示す指標であり、ハードンプレートにおいては厚みのばらつきを表します。
- 平面度
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図面標記その物の面がどれだけ平坦なのかを示す指標であり、ハードンプレートにおいては反りやねじれを表します。
ワイヤー放電加工等で製品を抜来き取る際、平面度が出ていないプレート部材を使用すると、反りがそのまま形状公差などに影響を与えます。精度を求められるような品物にとって、プレート部材の平面度は重要なファクターと言えます。
品質保証値(カタログでは100mm あたりにつきの反りで標記) に比べ、実績値は、用途等を鑑みて、格段に平面度をあげておりますが、難削材、薄物かつ大型、長細等は若干の反りがでる可能性があります。
特注部品等、サイズにより個別にお打合せいただきたく、よろしくお願い致します。
- 特に厳しい平面度のご要求につきましては、追加工にて平面度厳格材(別途エキストラ)としてご対応させていただいております。
動画でわかる弊社の平行度・平面度の測定
両動画とも3分程度の短い動画で、分かりやすく「JISに基づく平行度・平面度の測定方法」としてまとめました。
平行度と平面度は、密接につながっており、双方ともモノづくりには欠かせない要素です。両動画とも是非併せてご覧ください。
平行度の測定
弊社では適切な温度管理と安定した品質管理により、日々、良品を生み出しています。今後もお客様に満足のいく商品を安心してお使いいただけるように、品質向上に向けて努力していきます。
JIS0621-1984 平行度の定義
JIS の平行度は、次のように定義されています。
「データム直線、データム平面に対して平行な幾何学的直線、または幾何学的平面からの平行であるべき直線形体、または平面形体の狂いの大きさ」
平行度には、基準となる平面や直線があり、それに対して、もう一つの平面や直線がどれだけ平行になっているかを示す数値が平行度となります。線路に例えるならどこまで伸びても交わらないレールのようなもので、プレートでいうなら厚みのバラつきがどれ位なのかを表します。
弊社での測定方法
弊社では主に、マイクロメーター、ニコンデジマイクロ、ミツトヨリニアハイトゲージを使用して計測しており、ワークのサイズなどに合わせて使い分けております。
MASTハードンプレートにおいて、平行度の最大許容量は0.01mmとしており、高い平行度を求められた際には、サイズに合わせてマイクロメーターを使用した6点計測、8点計測を行なっております。
測定環境
金属加工において平行度に影響を与える一つに熱膨張があります。一定の室温で加工や測定を行わないと膨張の均一でない素材の場合は、寸法とともに平行度が変化してしまう場合があります。
精確な加工と測定を行うために、弊社のハードンプレートは室温23℃を目安に設定されており、さらに高い精度を要求される成形研削、およびジグ研削の室温は測定機器と同じ20℃±1℃に設定されています。
平面度の測定
平面度は、その物の面がどれだけ平坦なのかを示す指標となっており、切削や研削において大変重要な要素となっております。平面度を正しく測るには、平行度が重要な要因になります。
JIS0621-1984 平面度の定義
JISによる平面度は「平面形体の幾何学的に正しい平面からの狂いの大きさ」と定義されており、対象を平面で挟んだ時、その幅の示す値が平面度となります。
弊社での測定方法
測定には接触式(ダイヤルゲージなど)と非接触式(三次元測定機など)の2種類がありますが、弊社ではJIS規格00級の定盤と、てこ式ダイヤルゲージを使用する接触式での計測を行なっています。
接触式の測定の中でも、次にご紹介する2つの測定方法で平面度を測っております。
最大振れ式平面度測定
対象物にダイヤルゲージを合わせ、定盤上をすべらせながら表面全体の数値の振れ幅を読みます。
これを「最大振れ式平面度測定」といいます。
弊社では、この測り方と併せて「最大傾斜式平面度測定」を行なっています。
最大傾斜式平面度測定
加工しづらい端っこのみの反りや、対角にねじれている場合は、急な反り上がりとして数値に現れます。対象の対角を押して値の変化を読む最大傾斜式では、反りの形状や傾向を把握することができ、より厳しく検査を行えるため、弊社では、最大傾斜式を重視しています。
MASTハードンプレートの平面保証値は、右の表のようになっており、100mmを基準に設定されています。
実際の製品が300mmのメガハードンとする場合、大きさは3倍なので、3倍になる保証値で妥協したくなるところですが、それに甘えることなく、全てのハードンプレートの平面度は、保証値の大きさに合わせて、半分〜1/3程度になるように厳しく品質を管理しています。
1mm以下の薄物の測定方法
1mm以下の薄物は、てこ式ダイヤルゲージでは測定圧が勝り、適切に測定することができません。
薄物の場合は、ライトボックスを使用した「透き見」測定で反りの大きさを判断します。
具体的な数値を求められる際には、比較対象としてシクネスを使用し、対象が動かない程度に差し込むか、目視でスキマとゲージを比較して測定しております。
特注製作では、鋼種・大きさとご要求の平面度の精度により、製造不可のものもございます。
個別にご相談いただけますようお願いいたします。
加工例においては定盤上の製品の全長をダイヤルゲージで平面度を測定し、実測値は0.1以内。(例)
薄物、小物、反りの測定にご利用ください。
全長精度1ミクロン以内品です。