面粗度について

表面粗さのJIS規格

弊社カタログでは、最新JIS規格に基づきRa標記をしております。

表面粗さのJIS規格の最新のものは、JIS B 0601:2001になります。

面粗さを示すJIS規格には、古いものからJIS B 0601:1982、JIS B 0601:1994、そして最新の規格としてJIS B 0601:2001がありますが、各々定義している面粗さの表示記号が異なりますので、注意が必要です。

パラメーターの種類
JIS B 0601:1982 JIS B 0601:1994 JIS B 0601:2001
ISO4287-1997準拠
Ra:中心線平均粗さ
Rmax:最大高さ
Rz:十点平均粗さ
Ra:算術平均粗さ
Rmax:最大高さ
Rz:十点平均粗さ
Ra:算術平均粗さ
Rmax:最大高さ
Rz:十点平均粗さ
記号 意味
Rz 最大高さ粗さのこと。並外れた高さを除き、断面曲線の基準長さの範囲内において一番高い山を数値化したもの。
Rzjis 旧規格のRzのことで、十点平均粗さ。断面曲線から基準となる長さ分の範囲内において最大の山頂から3番目、最低の谷底から3番目を通る二本の平行線の間隔を測定した値。
Ra 算術平均粗さ。断面曲線の中心に線を引き、中心線によって得られた曲線上の総面積を長さLで割った値。

表面粗さ記号の換算表 Ra、Rz、Rzjis(Rmax)

現状、図面により使われる粗さ記号が新旧規格で錯綜しており、厳密に換算することは難しいですが、概略として次の表を一つの目安とします。

  • 0.40aは、材質・サイズにより要相談です。

お客様からお送り頂いた図面の中に三角記号でのご指示があった場合、弊社より折り返しご連絡し、Raの区分値をご相談させていただきます。

追加工のおよそのポジション 在庫品のおよそのポジション
追加工のおよそのポジション

Raの区分値:0.40a、0.80a

在庫品のおよそのポジション

Raの区分値:0.80a、1.6a

Rzjisの区分値 Rzの区分値 Raの区分値 基準値長さ Lの標準値 三角記号(旧表示)
(0.05a) (0.05z) (0.013a)   ▽▽▽▽
0.1s 0.1z 0.025a
0.2s 0.2z 0.05a
0.4s 0.4z 0.10a
0.8s 0.8z 0.20a 0.25  
1.6s 1.6z 0.40a 0.8 ▽▽▽
3.2s 3.2z 0.80a
6.3s 6.3z 1.6a
12.5s 12.5z 3.2a 2.5 ▽▽
(18s) (18z) 6.3a
25s 25z
(35s) (35z) 12.5a
50s 50z 25a
(70s) (70z)  
100s 100z  
(140s) (140z)  
200s 200z (50a)
(280s) (280z) (100a)
400s 400z
(560s) (560z)  
  • 弊社カタログでは、JISに基づきRaの表記としております。

弊社が使用している表面粗さ測定機

弊社ではこの2種類の測定器を使用します。以下にそれぞれの特徴と注意点を記します。

常設タイプ(Mitutoyo SURFTEST SJ-410)

対照的に精度の高い測定が行えます。測定結果を記録紙に印刷してお渡しできます。

  • 面粗度測定機 常設タイプ
    面粗度測定機 常設タイプ
  • 常設タイプの測定針形状
    常設タイプの測定針形状

特徴:スキッドレスのため触針が直接面粗度の溝(段差)に入り込み、微細な表面形状を測定結果に反映させるため、より精密な表面粗さ数値が分かります。
注意:触針が露出しているため扱いがデリケートです。測定面の平行出しが必要です。測定物のサイズは基本的に測定器の定盤(250×330)に乗せられるサイズまでとなります。加工設置状態のワークは測れません。

ハンディタイプ(Mitutoyo SURFTEST SJ-210)

持ち運びでき、主に加工現場での測定に使用します。

  • 面粗度測定機 ハンディタイプ
    面粗度測定機 ハンディタイプ
  • ハンディタイプの測定針形状
    ハンディタイプの測定針形状

特徴:触針(スタイラス)を覆うように「スキッド」と呼ばれるパーツが固定されている。測定物表面に触れるスキッドを基準に触針が上下する変化量を測るため測定面の平行出し不要。 場所を選ばず使用できます。
注意:触針を覆うスキッドが表面に触れる分、スキッドレスの常設タイプと数値の差が出てしまいます。

測定器選択の注意点

Mitutoyo製品、 SURFTEST SJ-410と、SJ-210には触針部の構造に違いがあり測定結果に差異が生じます。

Ra演算での測定結果比較
常設タイプ ハンディタイプ 差異
Ra0.354μm Ra0.338μm 0.016μm
Ra0.180μm Ra0.165μm 0.015μm
Ra0.169μm Ra0.151μm 0.018μm
Ra0.064μm Ra0.033μm 0.031μm
  • 校正基準、評価条件は同一設定にて行っております。

厳密な検査には常設タイプであるSURFTEST SJ-410での測定が推奨されています。
ハンディタイプでの測定は以下の様な状況下によりお客様了承のもとで実施致します。

  1. SURFTEST SJ-410に設置出来ないサイズの品物を測定したい場合。
  2. 商品を加工機に設置したままで、測定する必要がある場合。
    上記のような場合は事前にお客様との事前打合せが必要となります。
    加工見積もり時に測定方法もぜひご相談ください。
  3. 上記2種類の測定器でも、現物測定が難しい大型・特殊異形状等でステージに載らない場合は、テストピースでご対応させて頂くことも御座います。

測定結果の定時方法

常設タイプMitutoyo SURFTEST SJ-410での測定結果は記録紙への印字や画像データでのお渡しが可能です。

  • 記録紙サンプル
    記録紙サンプル
    • 各種測定条件設定や評価条件下での演算結果が印字できます。
  • 画像データサンプル
    画像データサンプル
    • 測定時に液晶表示された画像のスクリーンキャプチャデータのご提供も可能です。
  • その他のデータサンプル
    その他のデータサンプル
    • 波形データ・BAC・ADCなど、必要に応じて出力できます。

その他の特殊測定機など「摩擦測定機」

面粗度を仕上げた際の目的に摺動面や剥離面に対して滑り性・かじり防止・非粘着性などを求めることが多いです。
接地面とその対象物との摺動時に静摩擦(μs)と動摩擦(μk)を測定し、目的に応じた面粗度や下地仕上がりかを判断することが可能です。
試験で行う非対象物を実際に使われる用途と同じ材質に変更し確認することで、適材適所にあった面粗度にご提案が可能です。

  • 摩擦測定機とスライドテーブル
    摩擦測定機とスライドテーブル
  • 静摩擦と動摩擦を測定可能
    静摩擦と動摩擦を測定可能

お問い合わせフォーム

ご不明な点やご要望などございましたら、こちらのフォームからお問い合わせください。

*は、入力必須項目です。