製品情報

  • 切削性Excellent!
  • 研削性Excellent!
  • 経年変化Good!
TFDf製品イメージ

超加工性 新冷間ダイス鋼ハードンプレート「MAST TFDf(エフ)

株式会社 プロテリアル社製。SLD-f研削済み(T=2G)のハードンプレートです。
ハードンプレートから仕上げ加工までの加工工程のコアなる要素にて、画期的なハイパフォーマンスを実現。

  • Point1プロテリアル社製SLD-f (SKD11改 快削鋼) ベース
  • Point2切削性・研削性でハイエンドパフォーマンスを実現
  • Point3経年変化(ワイヤーカット性)や金型用鋼性能も従来鋼とほぼ同等
  • Point4新時代に適応したクリーンでサスティナブルなものづくり

TFDf(SLD-f)MAST 試験データ

TFDf(SLD-f)の評価を当社独自で行ったものです。

  • データ等は、特定の物の試験結果も含まれる一例を載せたものであり、全てのケースに適用するとは限りません。
比較材
  1. TFDf (SLD-f)
  2. TFD11H(SLD)高温戻し
  3. TFD8H(SLD8)8%Cr 鋼類
1切削性評価連続ねじ切り切削性試験
試験条件・評価方法

当社販売商品「TF タップミル(M6)」にて、下穴無しで板厚9.0mm 熱処理済の高硬度プレートにタップねじ切り、補正を掛けつつ、タップ貫通にて適正タップ加工が出来る限界タップ数をカウントしました。 弊社でのテスト加工例です。条件等により異なります。

マシニングセンタ
ROBODRILL α-D21LiA5
水溶液性切削液
Castrol Hysol ハイソル X
MAST TF タップミルにて連続ネジ切り実験!TFDf は驚異の103個連続加工が可能。
MAST TF タップミルにて連続ネジ切り実験!
TFDfは驚異の103個連続加工が可能。
結果
MAST TFタップミル加工は、当社タップミル1本の工具より、SKD11系の材質では、もともと50穴程度の実績となります。元々1穴あたりのコストが低コストでありますが、今回のTFDfでは予想を超える2倍の100穴を実現しています。(8%Cr鋼対比 5倍)
また、熱処理による変寸リスクも回避することが出来る上に、急な設計変更や納期短縮も可能です。なによりも品質の安定という観点において、ハードンプレートからのブランク工法へシフトするのに、非常に有効な材質であり、優良な解決方法です。
TFDfは、TFD11Hの2倍以上、TFD8Hの5倍以上の結果
試験結果
考察
TFDf(SLD-f)は、鋼材の成分と設計(ミクロ組織)の検討により、切削時の工具を保護する成分であるベラーグの作用と炭化物の低減により、工具のチッピングや摩耗を大幅に減少させる特徴を有しています。
その効果を十分に立証する結果となっており、ネックとなっていた熱処理済ハードンプレートの高速切削を可能にしています。
LD-fの特徴
SLD-fの特徴
2研削性評価1パス切込量での3項目評価
試験条件・評価方法
対象ワーク

厚み30mm×150mm×150mm(2枚同時加工)×3鋼種

加工条件および評価項目
加工機
岡本工作機械製作所 PSG-64GX
砥石
一般砥石
(高性能セラミック砥石キュービトロンⅡ #60)
研削油剤
ソリュブル

1パスの切込量「5μ」・「8μ」・「10μ」でそれぞれ研削加工を行い、

  1. ワークの除去率
  2. 研削焼けなどのトラブルが生じるまでのドレスインターバル
  3. 砥石軸負荷(研削抵抗)、9A(アンペア)で中止
3鋼種:TFDf・TFD11H・TFD8H
3鋼種:TFDf・TFD11H・TFD8H
一般砥石 研削の様子
一般砥石 研削の様子
結果

一般的に、SKD11系の材質は研削にCBN砥石を使用しますが、粒度やサイズなど多くの種類を準備するのにコストがかかります。以下の試験結果は、低コストの一般砥石を使用した加工であり、その中でワーク除去率がほぼ100%近くに達しています(削りたい分だけ削れている状態)。 プレート系やパーツ系加工において、特に数物に対しては非常に有効であり、多品種小ロット対応にも適しています。前述の通り、低コストの一般砥石を揃えるだけで対応可能です。

1パス切込条件5μmでの各鋼種の数値
1パス切込条件5μmでの各鋼種の数値
1パス切込安定評価
1パス切込安定評価
考察

TFDf・TFD11H・TFD8Hと比較して、1パス切込み量・ドレスインターバル・除去率・砥石負荷(研削抵抗の全ての項目において、TFDfが最も優れています。
特に、ワーク除去率は「97.5%」と極めて高く、加工効率と加工精度の両立が図れるのが特徴です。
通常ダイス鋼系は、CBN砥石を使用しますが、一般砥石での加工が容易となります。
研削所感は、TFS37(SKS3 系ハードンプレート)に近いが、TFDfの方が加工中にワークの表面粗さが悪化するペースが緩やかに感じます。これにより加工時間の短縮・工具の寿命の増加・砥石負荷減による使用電力の減少が見込めます。

3経年変化評価・ワイヤー性試作プレートによる変寸2 週間定点測定
試験条件・評価方法
対象ワーク

T13×150×400 の熱処理試作プレートにWEDM 加工にて角穴加工し、2週間の残留オーステナイトによる経年変化推移を定点測定しました。

加工条件・測定方法・評価項目
加工機
FANUC α-c600ia 加工回数:4th カット加工
測定器
ミツトヨリニアハイト600
基準平面
JIS0 級 セラミック定盤 測定室温:20℃
経年変寸測定用プレートH
経年変寸測定用プレート
緑丸切り欠きを基準点
緑丸切り欠きを基準点
リニアハイトゲージ測定の様子
リニアハイトゲージ測定の様子
結果

3鋼種ごとに「0日目・14日間の最大値・14日間」の変位を下記の表の通りにまとめました。

0日目・14日間の最大値・14日間の変位
0日目・14日間の最大値・14日間の変位
考察

金型プレートを想定した400Lサイズの角穴変位においても、残留オーステナイトの減少する2週間の最大変位測定において、TFDfは、良好な値を計測しました。
また、ワイヤーカット性についても粗大な炭化物を減少された鋼であり、ワイヤーカットによる炭化物の脱落等の問題も少なく良好と考えられます。

3鋼種のミクロ組織
3鋼種のミクロ組織靭性低下の原因となる粗大な炭化物を極限まで減らし、60HRC 以上の高い硬さを実現させるため、成分調整された新たな冷間ダイス鋼。
4耐摩耗性評価ボールオンディスクとスラリー(リングオンディスク) 摩耗試験の2通りによる評価
試験条件・評価方法
1.ボールオンディスク(JIS R 1613-1993)
測定方法・試験条件・状態
測定方法
ボールオンディスク摩耗試験 比摩耗量(質量減少法)
試験条件
Dry、ボール:SUJ2、回転数:400rpm、試験時間:600sec
状態
ドライ、温度:常温、荷重:4kgf
試験機外観1
試験機外観1
試験機外観2
試験機外観2
試験機外観3
試験機外観3
試験機外観4
試験機外観4
2.スラリー摩耗試験(リングオンディスク)(JIS K7218 相当)
測定方法・試験条件・状態
測定方法
スラリー摩耗試験:リングSUS316L、ディスク 各種3鋼種
試験条件
1kg-50rpm-1min、2kg-50rpm-1min、3kg-50rpm-1min、5kg-50rpm-1min、5kg-100rpm-10min
※上記を3回繰り返し
状態
半Wet(粉体:アルミナ#60(250mg)-10g 水道水:5cc)
リング(SUS316L)
リング(SUS316L)
試験機外観2
ディスク(SLD-f)
試験機外観3
リング(SUS316L)
試験機外観4
ディスク(SLD-f)
結果
1.ボールオンディスク(JIS R 1613-1993)

ボールオンディスク試験は、ボールとディスクの相性によって様々な結果や優劣が出るため、最終的な使用用途を考慮し、テストを行う可能性があります。今回のボール側でSUJ2を使用した場合、TFDfは他製品と比べ摩耗性は最も良好な結果となりました。加工性と摩耗性が相反するようなイメージがありますが、今回の試験では大きな差はなく、遜色ない結果となりました。

総合比摩耗量(ボールSUSJ2)
総合比摩耗量(ボールSUSJ2)
2.スラリー摩耗試験(リングオンディスク)(JIS K7218 相当)

スラリー摩耗試験は、リングと材質の間にアルミナ粉を干渉材として使用した摩耗テストであり、ボールオンディスク試験に比べて異なる傾向が見られます。
前述のテスト結果同様に材質の相性が影響するため、最大値や最小値にばらつきが生じることがありますが、SKD11系という枠組みの中で遜色ない摩耗性を示す結果となりました。

総合比摩耗量(リングSUS316L)
総合比摩耗量(リングSUS316L)
考察

ボールオンディスク摩耗試験では、TFDfはディスクの摩耗も無く、ボールの減りも最小限で良好でした。
しかし、スラリー摩耗試験では逆の結果となり、ボール材質との相性もあるので摩耗性はほぼ遜色ない「ダイス鋼」レベルと考えられます。

5靱性評価曲げ試験(JIS Z 2248 静的試験):靭性の評価の一評価基準として曲げ試験を適用
試験条件・評価方法

T1×20×60のプレートに約150kgfの荷重を掛け、破断するまでの曲げ応力N/mm2の平均(n=3×3回)を算出。
曲げ応力=再大点 応力 N/mm2
σ=3FL/2bh2(F:曲げ荷重、L:支点間、距離、b:試験片幅、h:試験片厚さ)

試験片の設置状態
試験片の設置状態
結果
靭性評価に関しても、摩耗性同様に評価方法に種別があり、用途に応じて参考となる評価基準としてシャルピー衝撃試験(動的試験)や曲げ試験(静的試験)などがありますが、総じて大きな差異はないと考えられます。加工性が格段に良い中で、金型材としての性能に遜色がないという判断です。
曲げ応力
曲げ応力
考察
曲げ試験(曲げ強度:静的試験)は、靭性評価の一評価方法と考えられるが、メーカー実施のシャルピー衝撃試験(動的試験)では、上記とは逆の結果となっておりこちらも同レベルと考えられます。
またメーカーで実施のパンチでの成形評価はSLD-fはSKD11よりも欠けにくく、耐チッピング性は良好な結果が得られています。
6まとめ

TFDfハードンプレートは、熱処理研削済み提供品のため、そのあとの加工プロセスは、切削・研削・放電の主要3本柱であり、これらの特性は過去に類を見ないパフォーマンス性を有します。
一方、金型用鋼としての特性も試験方法等にて若干の優劣あるものの、従来のダイス鋼系と比べると遜色ないものとなっています。
リードタイム短縮のみならず、変寸等の品質の安定を考慮すると、ハードンプレートからのブランク工法は、今後ますます主流となってきます。
TFDfは、これまでネックとなっていたハードンプレートの被削性の問題をクリアしつつ、加工工数低減・加工時間削減・人と設備の有効活用など、これからの時代のものづくりに対応しております。
貴社の対象アイテムで具体的な検討、トライをしてはいかがでしょうか。

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プロテリアルの超加工性 新冷間ダイス鋼SLD-fがハードンプレートのバリエーションに加わりました。
ハードンプレートから仕上げ加工までの加工工程のコアなる要素にて、画期的なハイパフォーマンスを実現します。

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